薬、病気の話

点鼻薬の使いすぎがただ1つの原因。鼻づまりを悪化させる薬剤性鼻炎の予防と治療の方法

~鼻炎に悩むかた全員覚えておいてほしい内容です~

鼻炎は花粉症の春や秋だけでなく、ハウスダストなどのアレルギーで一年を通しても起こるとてもつらいものです。

飲み薬や食生活の改善、マスクやメガネなどでしのいでいる方が多いでしょう。

 

数ある対策の一つとして、『点鼻薬』があります。鼻の中に直接シュッとするアレです。飲み薬は眠気や口の渇きといった副作用がつきものだったりするのでそれを避けるために、もしくは飲み薬と併用して効果を高めるために使います。

病院から出される処方せん薬やドラッグストアで買えるOTC薬、どちらにも数多くの点鼻薬が存在します。いずれもうまく使えれば良い効果が得られるものですが、とある成分を含む点鼻薬は注意が必要です。

使い方によっては『薬剤性鼻炎』と呼ばれるとてもやっかいな症状におちいってしまうからです。

これは鼻炎の症状の程度や年齢などにかかわらず誰でもなってしまい得る病気です。

 

「点鼻薬がないと鼻づまりが苦しくてしょうがない。」

ということはありませんか?その状態はすでにこの薬剤性鼻炎になってしまっている可能性が高いです。

もしそうでなくても、点鼻薬を使っている方は要注意です。

 

「薬剤性鼻炎」とはどういうものなのか?注意が必要な点鼻薬はどれなのか?正しい使い方は?

鼻炎に悩むことが多い方はぜひ覚えておいてください。

関連記事:【薬剤師厳選】眠気が少なくネットで買えるおすすめアレルギー薬ベスト5と選び方 #花粉症 #アレルギー性鼻炎

 

1.薬剤性鼻炎(薬剤性肥厚性鼻炎、点鼻薬性鼻炎 )について

1-1.症状・原因

症状は「繰り返す強い鼻づまり」です。場合によっては口呼吸しかまともにできなくなり喉のトラブルや感染を起こしやすくなったり(鼻は異物が入り込む防御フィルターの機能を持っているため)、寝苦しさで睡眠不足、強いストレスにつながります。

原因はその名の通り薬であり、点鼻薬を繰り返して使うことによる副作用で起こります。

鼻づまりを治すために薬を使っているのに、残念なことにその薬が原因でより強い鼻づまりを起こしてしまうようになるという病気なのです。

 

1-2.血管収縮剤の耐性、リバウンド、そして依存へ

点鼻薬なら何でも薬剤性鼻炎になるかといえばそうではなく、原因となる薬はという分類の成分を含む点鼻薬です。鼻は粘膜の血管が広がり充血して、腫れることによって空気の通りが悪くなり鼻づまりを起こします。

血管収縮剤はこの広がった血管を収縮してあげることによって粘膜の腫れを減らし、鼻の通りをよくします。使い始めはよく効いて即座に鼻づまりが解消されるのですが、繰り返し使っていくうちにだんだん効きが悪くなっていきます。(耐性)

そして薬によって収縮した血管は元の状態よりもさらに充血するようになり、粘膜が腫れて厚くなることで鼻づまりは悪化していきます。(リバウンド)これが「肥厚性鼻炎」とも呼ばれる理由です。

点鼻でしか鼻が通らず苦しくなってしまうので、ガマンできずに1日に使う回数が増えて結果として1日に何十回も点鼻をしたくなってしまいます。最終的には常に点鼻薬を手離せないような依存に近い状態になってしまいます。

 

1-3.血管収縮剤を含む点鼻薬一覧

具体的な血管収縮剤の成分名とは「ナファゾリン」「テトラヒドロゾリン」を使っているものがほとんどで、ほかは「オキシメタゾリン」「トラマゾリン」「フェニレフリン」を使用しています。「~ゾリン」で覚えられます。

製品により含有量は異なりますが、これらが含まれている点鼻薬は例外なく薬剤性鼻炎を引き起こすことができます。

では実際にこれらの成分を含む点鼻薬はどれなのか。以下に血管収縮剤を含む点鼻薬をすべて挙げています。持っているその点鼻薬を要チェックや!!

関連記事:血管収縮剤が入っていない点鼻薬一覧。副作用で依存しない選び方。

あなたがドラッグストアで買ったその点鼻薬、「~ゾリン」じゃないですか?というのも、市販の点鼻薬、全83種中68種もの商品に血管収縮剤が入っているのです。(2016年3月現在)配合されていないものを探すほうが大変です。

一方医師から処方される場合は、一般的にステロイドの点鼻薬が選択されることが多く血管収縮薬の種類は少ないです。これが市販の点鼻薬が薬剤性鼻炎を起こすと言われる理由です。

当然ですが処方せん薬でも血管収縮剤を含む「~ゾリン」の点鼻薬は薬剤性鼻炎を起こし得ます。

 

余談ですが目薬にも血管収縮剤が入っている製品が多く、目の充血を和らげるはたらきをしています。これも点鼻薬と同様に使いすぎによって目の充血を悪化させるため注意する必要があります。

 

2.薬剤性鼻炎の予防

2-1.薬剤性鼻炎の予防法

薬剤性鼻炎の原因は何度も言うように、点鼻薬の使いすぎです。

したがって薬剤性鼻炎の予防法はもちろん「点鼻薬を多く使いすぎない、もしくは使わない」ことに尽きます。点鼻薬なしに薬剤性鼻炎にはなりえないからです。

 

2-2.点鼻薬の適切な用法

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これは鼻づまりの点鼻薬として有名な『ナザール「スプレー」』の添付文書(説明書)です。

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書き出しの「使用上の注意」には「長期連用しないでください」「3日間位使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください」との記載はしっかりあります。他の点鼻薬も同様の注意喚起は必ずされています。

3日間というのは効果があるかどうかを判定するための期間の目安なだけであるため、具体的に何日間使用すれば「長期連用」になるのかは明確には示されていません。

 

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こちらは「用法・用量」の記述で、1日の使用回数は『6回を限度として』となっています。

が!これを真に受けて1日6回使っていたとしたら、明らかに使いすぎです。

原則としては1日に2回、2週間の使用にとどめるべきです。

理想を言えばもっと少なく済ませたほうがもちろん良いです。本当に息が詰まって眠れないときだけ使う、とか自分ルールを作っておきましょう。

 

3.薬剤性鼻炎の治療

3-1.治療のゴール、ステップ

すでに薬剤性鼻炎になってしまっている場合、それを治す方法はただ一つだけです。もはやいうまでもないでしょう。

「点鼻薬をやめること」です。

言葉にすればカンタンですが、すでに薬剤性鼻炎におちいってしまっているかたには「そんなカンタンに止められるか!ふざけんな!」と怒られるかもしれません。

大切なのは点鼻薬をやめるというゴールまでを、どういうステップで目指すかを考えることです。これはダイエットや食事療法と似ているところかもしれません。どんな体質、食習慣なのかで適するダイエットの進め方は異なります。同様に、どんな鼻炎状態なのかというスタート地点がそれぞれ異なれば、治療をどういうステップで進めるべきかももちろん人それぞれです。

 

3-2.具体的な治療法

共通することは徐々に点鼻薬の使用を減らしていき、最終的にはやめることです。そのゴールまでのルートはいくつか存在します。

すでに説明したように、鼻粘膜の肥厚が進んだ状態で点鼻を急にやめてしまっては強い鼻づまりを引き起こします。過度の食事制限がつらくてダイエットが続かないように、つらい思いをしていては治療も続きません。

そこで、一般的な治療のひとつとして他の種類の鼻炎薬を使用しながら血管収縮剤の使用を減らしていくというものがあります 。

飲み薬の抗アレルギー薬や血管拡張剤以外の成分の点鼻薬を使うことで、アレルギー性鼻炎などの根本の鼻炎を緩和し、つらい思いを極力減らしつつ血管拡張薬からの離脱を目指します。それでも長い時間と根気を必要とします。

使う薬は市販の鼻炎用の飲み薬やステロイドの点鼻薬を自分で選んでもいいですし、わからなければ耳鼻科を頼るのが無難でしょう。処方薬の中には鼻づまりをターゲットとした飲み薬も存在しますし、専用の「点鼻薬の離脱プログラム」を組んでいる耳鼻科もあります。

↑これは血管収縮薬が入っていない点鼻薬

薬によって回復が見込まれない場合には、レーザー治療鼻粘膜の切除手術を行なう場合もあります。

 

4.健康に対する意識を持とう

4-1.薬とはどういうものか

点鼻薬に限った話ではないですが、すべての薬にはリスク(危険性)とベネフィット(利益)の両方を持ち合わせています。

薬に限る話でもないですね。どんな食べ物だってリスクとベネフィットは双方持っています。行動、発言、世の中の物事すべてに言えることです。薬はこの両面が特に見えやすいというだけです。

さんざん点鼻薬のリスクを述べてきましたが、決して点鼻薬が悪い薬だと言っているわけではありません。
つらい鼻づまりを即座に解消してくれる点はとてもすばらしいベネフィットです。愛用者が多いのもうなずけます。

何が言いたいかというと、正しい知識を持って薬を使いましょうといういたって普通のことです。

 

4-2.正しい医療知識を得るために

ではその正しい知識を提供するのは誰なのか。製薬会社、医師、薬剤師、インターネット…。

製薬会社は企業である以上、利益を追求しています。点鼻薬を売って使用してもらい、もし薬剤性鼻炎になったならば購入者はその商品のリピーターとなり繰り返し購入することでしょう。結果としては製薬会社、販売店の利益となります。

だからといってその商品の需要がある以上は製薬会社や販売店に一方的に責任を問うべきでもありません。

医師や薬剤師は適正使用のアドバイザーとしての役割はありますが、これだけですべての過度の使用を防ぐことは不可能でしょう。何も注意喚起せずに点鼻薬を提供する医師、薬剤師もいることでしょう

 

結局のところ、自分の身は自分で守るしかないのです。

 

説明書に注意書きも記載されているわけで、それを守らず副作用が起きてもそれは自己責任と言われても仕方ありません。

医療知識はむずかしい面もありますが、自分のカラダの事なのだという意識を持ち、なるべく自分の頭で考えて情報を選ぶことが大切です。

自分で判断しきれない場合は、信頼できる医師・薬剤師を見つけることです。一方的に考えを押し付けたり指示を出したりするのでなく、患者と一緒に悩んで解決策を考えてくれるような人物が理想です。

患者は医師・薬剤師を選ぶ権利があります。これからは医師・薬剤師も患者に必要とされる存在でないと生き残れなくなる時代です。患者の信頼を得たいと頑張り、あなたのことを親身に考えてくれる医師・薬剤師がきっといると信じてください。

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