こどもはケガが絶えませんね。元気でなにより!
家事にいそしむ奥さんは包丁での切りキズにお鍋でやけど、水仕事であかぎれなどなど…。いつもお疲れさまです。
じつはほとんどのケガはわざわざ病院に行く必要はありません。
自力で治すことができちゃいます。
むしろ下手な治療を受けるとかえって治りが悪くなってしまいます。
特にキズに消毒薬を塗りたくるような古代の医師がいるところからは逃げ出してください。キズを消毒しても痛いだけでなく治りが悪くなる、というのが現代の常識になりつつあります。
この記事ではわたしが実際に使ってみて
と思えるグッズとその使い方を紹介します。
正しく使うことができれば、あらゆるキズが痛い思いをせずにおもしろいほどあっという間に治ってしまうことでしょう。
人間生きていれば誰しもケガをするものです。
予期せぬハプニングに慌てずに済むように、準備と心構えをしておくことを強くおすすめします。これから紹介するグッズを常備して、使い方とケガの対処法をあらかじめ覚えておきましょう。
この記事の内容は『湿潤療法』を基本としています。
湿潤療法とはキズを、
- 乾かさない
- 消毒しない
ことにより、
- 痛くしないで
- きれいに
- 早く
キズを治すことができる現代の治療法です。
湿潤療法に関する基礎知識、注意点などは以下の記事をぜひごらんください。
もくじ
あらゆるキズに使える『ハイドロコロイド包帯』
正直なところこれだけあればかなりのタイプのキズがなんとかなっちゃうシロモノです。
- 使い方が楽ちん
- いろいろなキズ、ケガに使える
- 価格が安い
- 水仕事に耐えられる
- 遮光性が高い
ハイドロコロイド包帯ってどんなもの?
みなさんご存じの「キズパワーパッド」とおなじ「ハイドロコロイド」という材質でできています。水分を吸収すると保持し、ぶよぶよのゲル状になります。
傷口から出てくる水分(滲出液)を吸ってハイドロコロイドはぶよぶよになります。このぶよぶよが浸出液をとどめることで、
キズを乾かないようにして人間が本来持っている治癒能力を最大限に発揮できるようにしてくれるのです。
実は包帯というのは名ばかりで、包帯として巻いて使うようなものではありません。
ハイドロコロイド包帯は大きなシート(10cm幅×40cm)。
要するにキズパワーパッドのおっきなシートバージョンです。
つかいかたとコツ
大きいシート状なので、必要なサイズ・形に自分で切って使います。
キズパワーパッドとは異なり範囲が広いすりキズややけどにも使えます。
そしてカットしてちいさな切りキズにも対応できちゃいます。
真四角に切るとカドからはがれやすくなるので、カドを丸く落として切るのがおすすめのコツです。
キズパワーパッドでも問題はないんですが、値段が高いんですよね。
ハイドロコロイド包帯は安いので気軽に使えます。
キズパワーパッドは用途に合わせていろんなサイズの商品がありますが、ハイドロコロイド包帯はもともとが大きいしカットして使うのが基本なのでこのワンサイズで済みます。
粘着力はキズパワーパッドのほうが強いように感じます。しかしハイドロコロイド包帯が弱すぎる、というわけではなくむしろこのくらいの粘着力のほうがキズの周りの正常皮膚へのダメージがが少ないと感じます。
後述する「プラスモイスト」などのキズあてを固定するためのテープ、というのが公式の使い方とされていますが、直接キズに貼ってしまって大丈夫です。
貼ったその瞬間から痛みが軽減される
片側が接着面になっているため、切るだけでそのままケガ部分に直接貼れます。
このカンタンさも非常に優れている点ですね。切るものさえあれば使えますから。
キズに貼ると空気や外からの刺激が遮断され、すぐに痛みがなくなります。
貼った後はキズから出る汁(滲出液)がハイドロコロイドに吸収され、白くポコーッと盛り上がってきます。
このとどまった滲出液によりキズの乾燥が防がれ、そしてこの滲出液がキズの治りを早めてくれるわけなんです。
毎日貼りかえて、この白い盛り上がりがなくなったら滲出液が出なくなったということなので、キズが治った証となります。
キズの経過をしっかり観察することはとても大切です。
防水性・遮光性が高いのが便利
防水性にも優れるため、貼ったままでも水仕事や入浴に耐えられちゃいます。
さらには遮光性も高いので続けて貼ることで、キズが治った後に紫外線による色素沈着を防ぐ効果も期待できます。
キズの治った後はツルッとした赤ちゃんの肌のようになりますよ。
適したケガ
やけど、切りキズ、すりキズ、引っかきキズに手荒れ、あかぎれ、ささくれ、さかむけ、さらには虫刺され、日焼けのヒリヒリなど広くに使用できます。
靴ずれ部分に貼れば、『こすれるのをガード』&『キズを治す』と二役で本領発揮をしてくれます。
注意
ハイドロコロイドは深めのやけどやケガなど、滲出液が大量に分泌されている場合には向きません。
薄手の材質であり、吸収できる水分量が限られているためです。
水分を吸収した部分は粘着を失うためはがれてしまったり、多すぎる水分でかぶれやあせもができやすくなってしまいます。
多めの滲出液に真価を発揮する『プラスモイスト』
「ハイドロコロイド包帯」と同様に傷口から出てくる滲出液をとどめて乾燥を防ぐのが役割です。しかし、用途や使い方がすこし異なります。
プラスモイストってどんなもの?
プラスモイストは『ハイドロコロイドでは吸収しきれないくらい多量の滲出液が分泌されているケガ』に適しています。
多めの滲出液でもしっかり吸収することができ、むれにくく程よい湿潤環境を作りだしてくれるものです。
つかいかた
適度な大きさ(キズよりも少し大きく)にカットし、白いメッシュ状の側をキズに当てます。
このメッシュははがす際にも乾かずにキズにくっつきにくい仕組みになっています。
裏表を間違えないようにしましょう。
ハイドロコロイドよりも少し厚めなので、膝などの曲がる部分に使う場合には、プラスモイストに切れ込みを入れることでうまくフィットしやすくなります。
ハイドロコロイド包帯と異なり接着面はないため、テープなどを使ってプラスモイストを固定して貼ります。
テープはかぶれないものを選ぶのが良いでしょう。
かぶれにくいテープの「スキナゲート」も後ほど紹介しています。
部位によりかぶれやすさは異なりますが、やわらかい部分は比較的かぶれやすいので注意です。
絶大な止血作用を誇る『ヘモスタパッド』
ヘモスタパッドってどんなもの?
基本の材質はプラスモイストと同じです。キズから出る滲出液をとどめて乾燥を防ぎます。
異なる点は『アルギン酸』という強力な止血成分が含まれていることです。
そのため、出血の多いケガに適します。
つかいかた
軽い切りキズ程度の出血であればテープは不要で、ヘモスタパッドをキズに直接当てて、ぐっと強く圧迫することで数分で止血できます。
止血ができ次第プラスモイストやハイドロコロイドへと切り変えましょう。
プラスモイストと同様にキズ口にテープで固定して貼っても良いです。圧迫がなくてもアルギン酸が止血をしてくれます。
これで止血できない場合は病院を受診しましょう。
ワーファリンを服用している人の場合は出血が治りにくいものですが、うまく使えればこれで問題なく止血できるようです。
かぶれにくいテープの『スキナゲート』
プラスモイストなどを固定するためのテープです。
固定できればなんだっていいのですが、肌に直接粘着させるためテープはかぶれやあせも、とびひなどを起こすことがあります。
とくによく動き回って汗をかきやすい子どもや、夏場での使用ではこれらのトラブルが起きやすいので注意です。
このテープは数ある『かぶれにくい』とうたう製品の中では特に皮膚にやさしいものです。
他のテープと比べて粘着力こそ弱めですが、その分かぶれやはがす際の刺激は少ないです。
皮膚は強くてかぶれにくいので粘着力を優先したい!という場合はこのテープなどがおすすめです。
どちらもわたしの薬局でも実際に取り扱っている製品です。
ムダな貼りなおしを減らす『防水フィルム』
ケガ部分に何かを貼ったり塗ったりしても手だったり水によく触れる部分だとすぐ取れてしまいます。
そんな時に役立つのがこの製品です。
当てたパッドより大きくカットして貼ります。
皮膚に密着してしっかり防水してくれます。
これもサイズが大きくて抜群のコスパ。
とても薄手なので、指先などの平らでない部分にも問題なく貼れます。
貼っていることを忘れてしまうくらいのフィット感で長時間貼りっぱなしでも耐えられます。
しかし長く貼っているとはがした時に粘着成分が皮膚に残りやすく、それを取るのに少し苦労が。
なので1日で貼りかえることをおすすめします。
万能の軟膏、『ワセリン』
なににでも使える最強の軟膏です。
最強とはいっても薬としての成分は全く含まれていません。
持っている効果は「保湿」と「保護」です。
ワセリンってどんなもの?
不純物を取り除いて精製された、純度のたかい油脂
眼や口の中へ入っても問題がないほどの純度です。
もちろんキズにも塗って問題ありません。
キズにとって大事な「乾かさない」という役割を果たしてくれるわけです。
つかいかた
- やけどやキズ全般
- 皮膚のカサカサ乾燥や軽い炎症
- 日焼け後のヒリヒリ
- 入浴後の保湿(ボディークリーム代わり)
- ひげそり後のヒリヒリ(アフターシェーブローション代わり)
- T字カミソリ使用時(シェービングフォーム代わり)
- 洗顔後の保湿(化粧水、乳液代わり)
保護効果が高く、やけどやキズ全般に使えます。乾燥肌やちょっとした皮膚炎など用途はさまざまで大活躍してくれます。
おすすめはひげそり後のヒリヒリです!保湿と保護で痛くなくなります。
カミソリって皮膚をけずるわけなのですり傷と一緒です。キズを治すためには乾燥を防がなければいけませんね。ワセリンは最適です。
アフターシェーブローションってシミて痛いですよね。痛いということはもちろん皮膚に悪いということです。痛い思いをしてキズにアルコールを塗りこまなきゃいけない理由が正直わからないです。
他にもわたしは洗顔後に化粧水・乳液の代わりにワセリンを顔全体にうすく塗って保湿しています。これだけで十分しっとり。化粧水や乳液はすべて不要になりました。
いろいろ使えてワセリンはコスパ抜群。
化粧品、美容グッズに多額を費やしている方、ぜひお試しを。
注意
↑チューブもあります
ワセリン製品は多数存在しますが、ものによって不純物を取り除く精製度が異なります。
「ワセリン」とは総称であり、純度の高い順に
サンホワイト > プロペト > 白色ワセリン
という製品名になっています。
「白色ワセリン」でも皮膚に使う分には問題ありませんが、
目や口のまわりにも使うのは「プロペト」以上の純度のものが好ましいです。
わが家では赤ちゃんにも使うので「サンホワイト」を選んでいます。
上記のチューブタイプは使用は楽ですが、家族全員で使うので割安な大容量タイプをリピートしています。
ワセリンに惚れ込んでるので別の記事でも紹介しちゃっています👇


救急セットに収まる『小さいはさみ』
上記で紹介したパッドやシートたちを切るためのものです。まぁ切れればなんでもいいんですが、ちょっと面白いものを見つけました。
これまでのグッズをすべて小さく小分けしてこのハサミと一緒にポーチに入れておけば、万能応急処置セットの完成です。
わが家はこのセットをカバンに必ず入れて外出しています。こどもはどんなケガをするかわからないですからね。
このセットとキズを洗い流す水さえあればどんなケガも慌てず対処できます。
大切なのは正しい使い方をあらかじめしっかり覚えておくことです。
軽いケガをしたら「これはチャンス!」とばかりに紹介したグッズたちを積極的に試しちゃいましょう。
自分で実践することこそが使い方を覚える最短ルートです。
常識をくつがえした『湿潤療法の教科書』
湿潤療法を世に広めた第一人者の医師の著書です。湿潤療法について深く学べます。
内容は湿潤療法だけにとどまらないので、少しでも美容・皮膚・医療に関することに興味がある方は全員読んでおくべきです。
家庭に 、保健室に、病院に、一冊置くべきだと思います。
医療のパラダイムシフトや常識を疑うものの見方。
わたしはこの医師に人生を変えさせられました。もちろんいい意味で。
夏井先生のサイトでも湿潤療法に関するわかりやすい説明があります。本を読まずともかなりのことは理解できるほどの充実ぶりです。
以下、紹介した製品のまとめです。
おすすめ記事
【薬剤師厳選】眠気が少なくネットで買えるおすすめアレルギー薬ベスト5と選び方
徹底攻略!!戦略を立ててPFCバランスの整った食事を習慣付ける方法
本音でガチランキング!! #マイプロテイン のおすすめの味(フレーバー)