皮膚の話

菌は悪者ではない。|湿潤療法の基本知識(理論編3)

『湿潤療法』とはキズを「乾かさない」「消毒しない」ことにより、「痛くせずに」「キレイに」「早く」治すことができる現代のキズの治療法です。

現在さまざまな湿潤療法を利用したグッズが販売されていますが、それらを正しく使いしっかりと効果を発揮させるために必要なことを紹介します。


劇的に早くきれいにキズを治す秘訣。痛くない簡単グッズまとめ。【湿潤療法・やけど・ケガ】

    【湿潤療法の基礎知識】
  1. 理論編1:キズを乾かしてはいけない理由  
  2. 理論編2:消毒薬は捨てよう。
  3. 化膿とはなんぞ

化膿しているということはおおざっぱにいうと、細菌感染により炎症を起こしているということを意味します。
炎症は「痛み」「腫れ」「発赤」「熱感」の症状を起こし、ときに膿みを出します。

一般には「バイ菌が入ったら化膿を起こす!」と思われるでしょうが、実際はそこまで単純ではありません。



皮膚に住む民

そもそも皮膚にはもともと菌がびっしり住み着いています。
それは正常で健康な皮膚であってももちろん例外ではありません。

腸の中に乳酸菌、ビフィズス菌などの人間にとって有益な「腸内常在菌」が住んでいるのと同様に、皮膚全体にも表皮ブドウ球菌をメインとする「皮膚常在菌」が生息しています。

常在菌は、「菌」だからといって化膿を起こす悪者では決してなく、健康な皮膚状態を保つためにむしろ大活躍してくれている、不可欠なお友達なのです。
腸内常在菌も腸の調子を整えてくれる重要なはたらきをしてくれていますね。



常在菌はボディガード

皮膚常在菌のはたらきは、カンタンに言うと皮膚上の皮脂をエサとして脂肪酸を放出することです。
これにより皮膚上は弱酸性に保たれ、感染のもととなるやっかいな菌にとっては生息しにくい環境になります。
一時期、「ソープは弱酸性が肌にいい。」というプロモーションがされていたのはこのためでしょう。

常在菌からしてみれば、別に人間のためにこの行動をしているわけではありません。
皮膚上には皮脂というエサが存在し、この弱酸性という環境が自分にとってもっとも生息しやすい条件の一つだというだけです。

しかしこれは人間にとっても有益なわけで、持ちつ持たれつな関係、「共存」関係なわけです。
人間が皮脂という給料を払って、常在菌はそれを受け取って、皮膚という名の街の防衛につとめてくれています。

すこしやんちゃな悪ガキ

きず口からは必ずと言っていいほど「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる菌が検出されます。

この黄色ブドウ球菌は名前こそ似ていますが表皮ブドウ球菌とは異なり、時には毒素を放出して「とびひ」などの感染症のもとになる菌です。
しかしこれも皮膚にもともと住みついている常在菌のひとつであり、皮膚表面以外には鼻穴の中、腸内などに見られます。

きず口で黄色ブドウ球菌がみられる理由はこれも単純で、きず口の環境が黄色ブドウ球菌にとって生息や繁殖がしやすい環境であるからというだけです。
きず口からは浸出液が出ていて、この液は中性です。
すなわち弱酸性の環境を好む表皮ブドウ球菌にとっては生息できない環境であり、逆に黄色ブドウ球菌にとっては適した環境なのです。

しかし、この黄色ブドウ球菌がきず口から検出されたからと言って、キズが化膿していることとはイコールにはなりません。


キズを化膿させる方法

化膿しているかどうかは「そこに菌がいるかどうか」ではなく前述した痛み、腫れ、発赤、熱感の「炎症症状があるかどうか」で判断されるべきものです。
したがって、きず口にどんな菌が住みついていようとも、これらの炎症症状がない限りは化膿を起こしてはいないので心配する必要はありません。

しかし菌がつくだけではなんともなくても、ある条件により化膿を起こすことができます。
それは、きず口に「異物」を混入させることです。
異物とは具体的にはかさぶたや血のかたまり、木のとげ、ガーゼなどです。
こういった異物がきず口に残っていると菌はまたたく間に増殖し、キズはカンタンに化膿を起こすようになります。

よって感染を起こさせないためにはこれらの異物を作らせないようにすること、もしくはキズに異物が残っていたら取り除くことが不可欠です。

キズを化膿させない方法

ではかさぶたや血のかたまりなどを作らないためにはどうすればいいでしょうか。

カンタンです。
キズを治してしまうことです。
キズが治ればかさぶたや血のかたまりなどは当然ですが皆無で、もとの正常の皮膚と同様に表皮ブドウ球菌が住みやすい環境となります。
すると他の菌は繁殖できず、おのずと感染は起こさずに済みます。

キズの菌を殺そうと消毒薬を使っていると、前述したようにキズの治りを遅らせてしまいかさぶたなどの壊死組織といった異物を作り出し、むしろ化膿を起こしやすくなります。

化膿を防ぐターゲットは「細菌」ではなく「異物」であるべきです。



まとめ

キズが化膿するためには菌の存在はもちろん必須ですが、それだけで化膿を起こすわけではありません。
異物の有無が化膿を起こすかどうかの運命を握っているわけですから、化膿を防ぐための治療のターゲットは細菌ではなく異物であるべきです。

菌は単純に、繁殖するために自分が生息しやすい環境に住みつくというだけです。
いくら菌を殺しても皮膚環境が改善されないかぎりは際限なく菌は繁殖し続けます。
菌にいてほしくなければその菌が住みにくい環境をつくる以外に手はないのです。 


これまでの内容はすべて以下のサイトで学べます。

6億倍ためになるサイトです。

こちらの本を読んでもいいです。


おすすめ記事

劇的に早くきれいにキズを治す新常識。痛くない簡単グッズまとめ。
【薬剤師厳選】眠気が少なくネットで買えるおすすめアレルギー薬ベスト5と選び方
徹底攻略!!戦略を立ててPFCバランスの整った食事を習慣付ける方法
本音でガチランキング!! #マイプロテイン のおすすめの味(フレーバー)