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私が糖質制限をやめた理由の一つとして高脂肪食による糖耐能の悪化をあげましたが、その機序のひとつをまとめておきます。

関連記事:糖質制限で10kgやせた私が糖質制限をやめた理由



膵臓は血糖を感知してインスリンを分泌する

食事から摂られた糖質はいちばん細かいサイズの糖であるブドウ糖まで分解されてから吸収され、血液によって全身へ運ばれます。

全身に行き渡ったブドウ糖は主に骨格筋に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。

この糖の取り込みの大部分は、インスリンというホルモンのはたらきにより行われます。


インスリンは膵臓のβ細胞というところで分泌されるわけですが、
どのくらいの量のインスリンを分泌するのかをβ細胞は決めなければなりません。インスリンが多すぎると低血糖となり、逆に少ないと高血糖になってしまうからです。

どうやってそれを決めているかというと、膵臓のβ細胞は『グルコーストランスポーター(GLUT)』という動く歩道のような通り道を細胞の表面に設置し、そこを通してブドウ糖を取り込むことで血糖上昇の情報を受け取り、それに応じたインスリン量を分泌しています。



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遊離脂肪酸が多いと膵臓は血糖を感知できない

このGLUTは遊離脂肪酸の負荷が多いと障害されてしまうことが知られています。


GLUTは膵臓β細胞内に入ってこれないブドウ糖を細胞内に取り込むためにはたらきます。したがって外と内をつなぐ橋渡しをするためには、細胞の表面に位置しなければなりません。


細胞内で生合成されたGLUTは細胞表面へと移動し安定することで正常な役割を果たしていますが、遊離脂肪酸の負荷により細胞表面への安定維持が障害され、GLUTが細胞内にとどまってしまいます。

細胞表面にGLUTが位置していないと、細胞の内外とのブドウ糖の橋渡しの役割は果たせません。

そのためセンサーとしてのブドウ糖の取り込みが十分に行われず、インスリンの正常な分泌が行なわれなくなってしまいます。



負の遊離脂肪酸スパイラル

インスリンは血中の遊離脂肪酸を取り込むはたらきも持っています。つまりインスリンの作用が不十分だと血中の遊離脂肪酸は増えることになります。

そのため高脂肪食を続けた場合、

血中の遊離脂肪酸が増える ⇔ インスリンが正常に分泌されない

という悪循環におちいり、β細胞による糖代謝がどんどん悪化していってしまうことになります。


膵臓β細胞を本気でいたわるならば糖質を摂らずにβ細胞を休ませるのではなく、食事から摂る脂質で遊離脂肪酸を増やしすぎないようにしてβ細胞が正常に働けるようにしてあげる。

そう考え至ったので私は糖質制限をやめたのです。


参考文献
膵臓β細胞における糖鎖修飾とグルコースの輸送低下を介する糖尿病の発症経路

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