こどもはケガが絶えませんね。元気でなにより。

家事にいそしむ奥さんは包丁での切りキズにお鍋でやけど、水仕事であかぎれなどなど…。いつもお疲れさまです。


じつはこれらのケガはわざわざ病院に行く必要はありません。

自力で治すことができちゃいます。


むしろ下手な治療を受けるとかえって治りが悪くなってしまう場合もあります。

特に消毒薬をきず口に塗ろたくるような古代の医師がいるところからは絶対に逃げ出してください。わざわざ消毒で痛い思いをして治りを悪くしておまけに跡を残されることを望むドMさんであるなら止めませんが。


この記事ではわたしが実際に使ってみて「一家にひとつ!!」と思えるグッズとその使い方を紹介します。

これらを正しく使えればあらゆるキズが痛い思いをせずにおもしろいほどあっという間に治ってしまいます。


人間生きていれば誰しもケガをするものです。

これらのグッズを常備して、使い方とケガの対処法をあらかじめ覚えておけば予期せぬハプニングに慌てずに済みます。その準備と心構えをしておくことを強くおすすめします。




この記事の内容は『湿潤療法』を基本としています。


これはキズを「乾かさない」「消毒しない」ことで「痛くせずに」「キレイに」「早く」キズを治す現代の治療法です。


基礎知識、注意点などは以下をごらんください。

  1. 理論編1:キズを乾かしてはいけない理由
  2. 理論編2:消毒薬は捨てよう。
  3. 理論編3:菌は悪者ではない。

 


かなり手広く使える『ハイドロコロイド包帯』


正直なところこれだけあればかなりのタイプのキズがなんとかなっちゃうシロモノです。


どんなもの?

みなさんご存じの「キズパワーパッド」とおなじ「ハイドロコロイド」という材質でできています。


この製品は大きなシート(10cm幅×40cm)になっていて必要なサイズ・形に自分で切って使うものです。

なので範囲が広いすりキズややけどにも使えます。


要するにキズパワーパッドのおっきなシートバージョン。


キズパワーパッドでも問題はないんですが、高いんですよね。小さいし。

湿潤療法を世に知らしめた「功労者」的な存在だという点ではすばらしいものだと思います。




キズパワーパッドと比較すると、ハイドロコロイド包帯のほうが薄いのもいい点です。


そして粘着力はキズパワーパッドのほうが強いですが、ハイドロコロイド包帯が弱すぎるというわけではなく、むしろこのくらいの粘着力のほうがキズの周りの正常皮膚への影響が少ないです。


キャプチャ

つかいかた

実は包帯というのは名ばかりで、包帯として巻いて使うようなものではありません。

後述する「プラスモイスト」などの被覆材を固定するためのテープ、というのが公式の使い方とされていますが、この使い方をしている人はまずいないでしょう。




まず、きず口より少し大きめのサイズに切ります。

四角く切るとカドからはがれやすくなるので、カドを落として丸く切るのがコツです


片側が接着面になっているため、切るだけでそのままケガ部分に直接貼れます。

このカンタンさも非常に優れている点ですね。切るものさえあれば他のアイテムはいらないんですから。


そしてきず口に貼ると空気や外からの刺激が遮断され、すぐに痛みがなくなります


すると、キズから出る汁(滲出液)がハイドロコロイドに吸収され白くポコーッと盛り上がってきます。

このとどまった滲出液によりケガ部分の乾燥が防がれます。


そしてこの滲出液がキズの治りを早めてくれるわけなんです。


毎日貼り換えていくうちに、この白い盛り上がりがなくなったら滲出液が出なくなったということなので、キズが治った証となります。


キズパワーパッドと比較して薄手のためこの経過が見えやすい、というのがこの製品のとてもいい点なのです。

キズの経過をしっかり観察することはとても大切ですよ。




また防水性にも優れるため、貼ったままでも水仕事や入浴に耐えられちゃいます。


さらには遮光性も高いので続けて貼ることで、キズが治った後に紫外線による色素沈着を防ぐ効果も期待できます。

キズの治った後はツルッとした赤ちゃんの肌のようになりますよ。


適したケガ

やけど、切りキズ、すりキズ、引っかきキズに手荒れ、あかぎれ、ささくれ、さかむけ、さらには虫刺され、日焼けのヒリヒリなど広くに使用できます。

靴ずれ部分に貼ることでこすれるのを直接ガード&キズを治すと2役の本領発揮をしてくれます。


注意

ハイドロコロイドは深めのやけどやケガなど、滲出液が多量に分泌されている場合には向きません。

薄手の材質であり、吸収できる液の量が限られているためです。


水分を吸収した部分は粘着を失うためはがれてしまったり、多すぎる水分でかぶれやすくなってしまいます。



多めの滲出液に真価を発揮する『プラスモイスト』


どんなもの?

こちらは「ハイドロコロイドでは吸収しきれないくらい多量の滲出液が分泌されているケガ」に向きます。

多めの滲出液でもしっかり吸収してむれにくく、程よい湿潤環境を作りだしてくれるものです。


キャプチャ

キャプチャ

つかいかた

白いメッシュ状の側をキズに当てます。

このメッシュははがす際にも乾かずにキズにくっつきにくい仕組みになっています。

裏表を間違えないようにしましょう。


ハイドロコロイドよりも少し厚めなので、膝などの曲がる部分には切れ込みを入れることでうまくフィットしやすくなります。


ハイドロコロイドと異なり接着面はないため、テープなどを使ってプラスモイストを貼っておきます。

その際プラスモイストの四隅をとめて全体を密封にはしないようにしましょう。


テープはかぶれないものを選ぶのが良いでしょう。

部位によりかぶれやすさは異なりますが、柔らかい部分は比較的かぶれやすいので注意です。



絶大な止血作用を誇る『ヘモスタパッド』


どんなもの?

基本材質はプラスモイストと同じなので同様にも使うことができます。


異なる点は「アルギン酸」という強力な止血成分が含まれていることです。


そのため、出血の多いケガに適します。

キャプチャ

つかいかた

軽い切りキズ程度の出血であればテープ不要で、ヘモスタパッドをきず口に当てて直接強く圧迫することで数分で止血できます。

5分おきくらいに確認してください。


止血ができ次第プラスモイストやハイドロコロイドへと切り変えましょう。


出血が多かったり広範囲の場合は、プラスモイストと同じ要領でキズへ固定し1日待てば止血できていることでしょう。

圧迫がなくてもアルギン酸が止血をしてくれます。


これで止血できない場合は病院を受診しましょう。


ワーファリンを服用していると出血が治りにくいですが、うまく使えればこれで問題なく止血できるようです。


注意

止血の基本はきず口の直接圧迫です。

出血が手などであれば心臓より高い位置に上げるようにもしましょう。


よく「心臓に近い部分を縛る」のが止血法と言われますが、これはよほどの強い力で縛りつけないかぎりは通用しません。下手に縛ると逆に出血が多くなります。

理由は心臓から血液が流れてくるほうの「動脈」は非常に丈夫でつぶれにくく、逆に心臓へ血液が戻っていくほうの「静脈」はうすくて少しの力でも潰れてふさがるからです。


つまり、ハンパな圧力で縛ってしまうと心臓へ戻っていく血液のみが止められるため、血液が戻れず血管内にとどまり、きず口から出て行きやすくなるのです。


採血するときに腕を縛って血管が浮きやすくしますね。あれをイメージしましょう。

あのパンパンの血管にキズをつけたら出血しやすいのがよくわかりますね。



かぶれにくいテープの『スキナゲート』


プラスモイストなどを固定するためのテープです。


固定できればなんだっていいのですが、肌に直接粘着させるためかぶれやあせも、とびひなどを起こすことがあります。

とくによく動き回って汗をかきやすい子どもや夏場での使用、カラダのやわらかい部分に貼る場合などをこれらが起きやすいので注意です。


このテープは数ある「かぶれにくい」とうたう製品の中では特に皮膚にやさしいものです。

他のテープと比べて粘着力こそ弱めですが、その分かぶれやはがす際の刺激は少ないです。


皮膚は強くて粘着力を優先したい場合は以下のテープなどがおすすめです。

どちらもわたしの薬局でも取り扱っている製品です。





ムダな貼りなおしを減らす『防水フィルム』


ケガ部分に何かを貼ったり塗ったりしても手だったり水によく触れる部分だとすぐ取れてしまいます。

そんな時に役立つのがこの製品です。

キャプチャ

当てたパッドより大きくカットして貼ります。皮膚に密着して、しっかり防水してくれます。


とても薄手なので、指先などの平らでない部分にも問題なく貼れます。

これもサイズが大きくて抜群のコスパ。


貼っていることを忘れてしまうくらいのフィット感で長時間貼りっぱなしでも耐えられます。

しかし長く貼っているとはがした時に粘着材が皮膚に残りやすくてそれを取るのに少し苦労します。

なので貼る時間は1日くらいにして貼りかえることをおすすめします。





万能の軟膏、『ワセリン』




どんなもの?

なににでも使える最強の軟膏です。


最強とはいっても薬としての成分は全く含まれていません。

持っている効果は「保湿」と「保護」です。


ワセリンとはカンタンにいうと「不純物を取り除いた、精製度の高い純粋な油」です。

それは眼や口の中へ入っても問題がないほどの純度です。

もちろんきず口にも使えます。


キズにとって大事な「乾かさない」という役割を果たしてくれるわけです。


つかいかた

湿潤環境をつくれるのでやけどやキズ全般に使えるだけでなく、乾燥肌などにも広く使うことができます。

ちょっとした皮膚炎程度はこれだけで治ります。


日焼けあとのヒリヒリにもバッチリです。


入浴後のボディクリームの代わりに全身に塗るのもいいです。

カサカサのかゆみがなくなります。


おすすめはヒゲソリ後のヒリヒリです。

保湿と保護で痛みはなくなります。


アフターシェーブローションはシミて痛いですよね。

痛いということはもちろん皮膚に悪いということです。

刃物でキズだらけの皮膚にアルコールをぶち込んでいるんですから。

いますぐ窓から捨ててください。


T字カミソリを使うときのシェービングフォームの代わりにもなります。

クリームよりも皮膚の保護力は強いですよ。

そもそもクリームに皮膚の保護作用があるかが疑問ですが


わたしは洗顔後に化粧水・乳液の代わりにワセリンを顔全体にうすく塗って保湿しています。

これだけで十分しっとり。

化粧水や乳液はすべて不要になりました。


そう考えるとワセリンはコスパ抜群。

化粧品、美容グッズに多額を費やしている方、ぜひお試しを。


注意

ワセリン製品は多数存在しますが、ものによって精製度が異なります。


「ワセリン」とは総称であり、純度の高い順に
「サンホワイト」>「プロペト」>「白色ワセリン」
という成分、製品名です。


「白色ワセリン」でも皮膚に使う分には問題ありませんが、目や口にも使える純度のものは「プロペト」以上のものです。


わが家では赤ちゃんにも使うので「サンホワイト」を選んでいます。

他と比べれば少しお高めですが容量も多くしばらくなくなりはしないので気にはならないです。

家族全員で使って1年以上は持ちますね。


ちなみに容器が大きいので、小さい軟膏容器にバターナイフで移しかえて使っています。

まぁ、フタが付いているものであればなんでもいいでしょう。


関連記事:最強!安全!ワセリン徹底活用術【こども編】
関連記事:便利すぎる!オトナのワセリン活用術100選



救急セットに収まる『小さいはさみ』


上記で紹介したパッドやシートたちを切るためのものです。


まぁなんでもいいんですが、ちょっと面白いものを見つけました。


これまでのグッズをすべて小さく小分けしてこのハサミと一緒にポーチに入れておけば、万能応急処置セットの完成です。


わが家はこのセットをカバンに必ず入れて外出しています。


ムスコはどんなケガをするかわからないですからね。


このセットとキズを洗い流す水さえあればどんなケガも慌てず対処できます。


大切なのは正しい使い方をあらかじめしっかり覚えておくことです。


軽いケガをしたら「これはチャンス!」とばかりに上記のグッズを積極的に試しちゃいましょう。


自分で実践することこそが使い方を覚える最短ルートです。



必携の『湿潤療法の教科書』


湿潤療法を世に広めた第一人者の医師の著書です。

湿潤療法について深く学べます。


内容は湿潤療法だけにとどまらないので、少しでも美容・皮膚・医療に関することに興味がある方は全員読んでおくべきです。


家庭に 、保健室に、病院に、一冊置くべきだと思うんですがねぇ。


医療のパラダイムシフトや常識を疑うものの見方。

わたしはこの医師に人生を変えさせられました。

もちろんいい意味で。


夏井先生のサイトでも湿潤療法に関するわかりやすい説明があります。

本を読まずともかなりのことは理解できるほどの充実ぶりです。


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